ゆめひとくらし
HOME > ゆめひとくらし > 暮らしの上質時間 vol.26
ネコがくれた魔法の時間

子どもの頃からイヌ好きで有名だった私が、最近はネコに夢中だったりする。名前は“ロコ”。といっても、ペットではなくてドイツ・ヘリオス社の魔法瓶のネコだけれど。ある時は寝室へ連れて行ったり、キッチンテーブルの上にちょこんと座らせたり、一緒にいることが多い。ときどき、姿をくらますことはあるけれど…。

近頃、ロコと半身浴を楽しむのが私のお気に入り。半身浴が終わるのをジーッと横で待ってもらっている。20分くらい入って体がほかほかになったところで、冷えたハーブティでのどを潤す。温かいバスルームの中でも、ハーブティが冷たいままなのはロコのおかげ。クッとハーブティがのどを通る瞬間が、とても爽やかで気持ちいい。
でも、お友達によると、半身浴には温かい飲み物の方が体に優しいとか。「よかったら、これ試してみて」と差し出されたのが、工藝茶という中国茶だった。
「このお茶の玉を耐熱のガラスコップに入れて、お湯を注ぐ。するとパッと菊の花が咲くのよ。ゆらゆら揺れる花は見ているだけでも落ち着くし、菊の香りがゆったりした気分にさせてくれるはず」

調べてみると、菊の花には肌をキレイにしてくれる効果もあるそう。小説にロコ、工藝茶…。だんだんお風呂へ連れて行くお気に入りが増えてきて、なんだか楽しくなってきた。

ロコからお湯を注いで待つこと10分ほど。半身浴をしながら眺めていると、お茶玉の中から白い菊の花が出てきた。へぇ~と思って眺めていると、一つ、二つ、三つと菊花がタワーのように連なって咲いた。予想していたよりもキレイで、ほのかに甘い香りもする。「これいいなぁ。明日、夫が入る時にも用意しといてあげようかな」という優しい気分にもなった。

そして日曜の朝がきた。私が目を覚ますと、いつも休日はゆっくり目覚める夫が今日はすでに着替えていた。右手にロコをぶら下げて、左手には釣り竿を持って…。あっ、そういうことか。
夫は趣味の釣りへ出かける時だけ私よりも早起きになる。「ごめん、起こしちゃって。あの例のお茶はどこ?」

 今日は“ロコ”がときどき姿をくらます日。今日は釣りの“招き猫”になる日。

ダブルデイ梅田店 TEL 06-6442-5335


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