| 「あいつも定年になって、昼間は家に居づらいらしいわ」
…うん?あいつも居づらいってことは、あなたも?言葉尻にひっかかりを感じたが、心の中で(気にしない、気にしない)といつものおまじないを唱えた。このおまじないは、四六時中、2人暮らしを再開することになって編み出した暮らしの知恵である。夫は次々に定年を迎えて「家に居づらくなった」同期3人組の友人たちと、小唄を習いに通っている。在職中に会社の人事部が主催するライフプランセミナーで、「趣味を持ちなさい」とアドバイスされ、3人で相談して始めたのだ。
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「えっ?小唄?」はじめて聞いたときはびっくりした。そんな趣味があったっけ?音楽といえばいまだに大のビートルズファン。堅苦しいことは大の苦手で、正座だってものの3分も持たずもそもそ動き出す夫が?きっと続くわけがない。内心、ふふんとあしらった。ところが、そんな予想に反して、今なお週末になると夫はいそいそと三味線をかかえて電車で出かける。車に乗らないわけは、言わずと知れたお稽古後の飲み会のためだ。 |
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風格のある町家の店構えが歴史を物語る老舗「宮脇賣扇庵」の茶扇子。創業は文政6年、今年で185年を迎える。
賣扇庵は富岡鉄斎の命名とか。明治の京都画壇の巨匠四十八画伯によって描かれた天井画はまるでミュージアム。
宮脇賣扇庵 京都市中京区六角通富小路東入ル大黒町80-3 TEL 075-221-0181
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