「西区京町堀」周辺

新旧が融合する、 ロマンチックな街並み

 

大阪市民の憩いの場所、 美しい緑広がる靭公園

大阪市西区の「靱公園」一帯は、江戸時代以来、海産物を扱う問屋・仲買が集中していたところ。今では広大な公園内で、サラリーマンやキャリアウーマンがのんびり休憩時間を過ごしている。「靱公園」の北側が、京町堀通り。「京町堀」という地名は、江戸時代の初めの頃、大坂の陣で荒廃した街を建て直すために、京都伏見の商人を誘致したのが由来という。四ツ橋筋から入ってすぐ、古風で趣のあるビルがあった。「ギャラリー松井」の看板。オーナーの松井さんによると、京町堀周辺は、この一年で大きく変化したそうだ。大人のムードのある店が誕生し、非常に活気があるという。さっそく街を歩いてみよう。

 


■(左)「ギャラリー松井」 :石造りのエントランスに古風な趣漂うギャラリー。オーナーの松井さんは、絵画や芸術はお金だけでは測れない、大切なのはビジネスではなく文化なのだ、とユーモアを交えながらも熱っぽく語る。

■(右)「大阪科学技術館」 : 「靱公園」の一角にある穴場的スポット。子供から大人まで半日は充分楽しめ、しかも入場は無料。科学技術を持つ民間企業がそれぞれの最新の成果を、2年に1度のサイクルで展示している。分野は、燃料から宇宙、先端技術から家電まで幅広く、科学技術のトレンドがすべて網羅されている。

 

ユニークな新店が続々登場、
活気があふれる京町堀周辺

「靱公園」の北側、京町堀周辺を歩いてみると、驚くほどお洒落な店が建ち並んでいる。しかも、チェーン店とはひと味違うユニークなコンセプトの店ばかりである。共通した特徴は、まず料理や店のつくりが独創的であること、オーナーや店長が若いということ。そして何より、皆さん京町堀に対して、愛情と親しみを強く抱いている。

 

■「Too.Re!Do.Re!」
炭焼き料理の店。それだけでは今では目新しくもないが、この店のシェフおよびコックさんは、フランス料理やイタリア料理が専門。メニューも、フォアグラの炭火焼き料理など、他では味わえない創作料理が楽しめる。

■「TORAMARU」
今年9月にオープン。古いビルを活用した外観がノスタルジックな印象を与える。中に入ってみると、アンティークな雰囲気が漂うお洒落な空間。この空間の一方が「京町堀通り」に、もう一方が「靱公園」に面している。料理は、豆腐や魚を使ったものが自慢。「そうした食材は味をごまかせないから」と若きオーナーシェフ竹田さんは語る。

■「178's」
6月にオープンした創作料理の店。特にに豆腐を使った料理が自慢のようだ。10月以降はスペイン料理もメニューに加えるなど、一つのテイストにこだわらない無国籍料理が受けている。店内も大人のムード溢れる洗練されたインテリアで、遠方から訪れる女性客もいるという。

なつかしい川の光景と 明治の面影を今に残す教会

靱公園に沿って、京町堀通りを歩くと大きな道路に出る。「新なにわ筋」だ。そこを右に折れ、またしばらく歩くとやがて川にでる。ここは、「土佐堀川」と「堂島川」が合流し、「安治川」と「木津川」に名前を変える岐路にあたる。「昭和橋」「端建蔵橋」「湊橋」という3つの橋があり、橋上からの光景は、なぜか懐かしい。水の都・大阪の原点のようなものがあるのかもしれない。宮本輝の「泥の川」を思い出す。川面に映る夕日にしばし見とれたあと、昭和橋をわたり、木津川沿いを南に下る。やがて赤いレンガの西洋風の建物が見えてくる。

 
▲(左)「川口キリスト教会」 「川口居留地」の跡地。明治元年に外国人に永代借地権の競売をおこない、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカなどの外国人が落札、造成した「文明開化」そのものといえる場所である。歩道や車道、下水道などのインフラも整備され、ガス灯や西洋建築物も建ち並んでいたが、やがて神戸居留地へと移転していった。当時の面影は失われ、唯一残ったのが川口キリスト教会の建物だという。 ▲(中)安治川  ▲(右)昭和橋
  
※2005年11月取材
 
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